痛風
✔通風は、とても痛い病気です。
✔尿酸値を改善するためには、まずは生活習慣の改善が大切です。
高尿酸血症については、こちら
痛風とは?
痛風は、尿酸の結晶が関節に蓄積することによって引き起こされる炎症性関節症です。体内の尿酸値が高くなると、結晶が形成され、関節やその周囲の組織で炎症を引き起こします。特に足の親指の基部に起こりやすいです。
痛風は1960-1970年代の高度成長期に患者数が急増しました。現代では、痛風発作を起こされる方は、50-70歳代が多いようです。1)
一方で、痛風発作を初めて経験する年齢に関しては、30歳代に初めて痛風発作を起こした、という人が最も多いようです。1)
症状
急激な激しい痛み
関節の腫れ、発赤、熱感
関節が触れるだけで痛むことも多いです。「風が吹くだけでも痛む」という名前の由来としても有名です。
持続的な違和感
急性の発作後も関節の違和感が続くことがあります。
治療法
痛風の治療には、急性発作の管理と長期的な尿酸値のコントロールが重要です。
急性発作の治療
発作初期にはコルヒチンとNSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセンなど)を併用します。腎機能の低下している方や、高齢の方などでコルヒチンやNSAIDsが使いにくい方には、ステロイドによる治療が選択されることもあります。1,2)
予防方法
まずは生活習慣の改善が大切です。野菜を中心とした食生活と適度な運動を心がけましょう。また、アルコールも控えましょう。
尿酸値を下げるお薬
尿酸値が高い方ではお薬で尿酸値を下げることも大切です。尿酸値を下げるお薬について、詳しくはこちら。
コルヒチン
尿酸値をさげるお薬を飲み始められた直後の方では、低用量のコルヒチンを7〜9ヶ月を目処に内服することで痛風発作を予防できます。1)
生活習慣の改善
食生活の見直し
プリン体の少ない食品を選び、バランスの良い食事を心がけましょう。
減量
節酒
プリン体を低く抑えたアルコール飲料もあります。特に、ビールは避けましょう。また、アルコール自体も尿酸値を上昇させます。適度なアルコール摂取に努めましょう。
1日の目安として、日本酒1合、ウイスキー60ml、ワイン148mlまでは血清尿酸値への影響が少ないとされています。2)
積極的な水分摂取
水分を多く摂ることで尿酸の排泄を促進します。
まとめ
痛風は生活習慣の改善や、飲み薬によって、再発の防止が可能です。通風が心配な方は、お気軽に当院までご相談ください。
参考文献
1)日本通風・尿酸核酸学会:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版
2)UpToDate:Treatment of gout flares
免責事項
- この記事は、より多くの方に病気に関しての知識を深めてていただく目的で執筆しています。病状ごとに、その方に提供される最適な医療は異なるため、治療方針に関しては必ず主治医にご確認ください。
- この記事は、信頼できる専門家の先生方が執筆、監修されているという観点、評価の定まっていない原著論文の引用を控えるという観点から、原著論文に加え、学会発行のガイドラインや、世界的に信頼され、参照されているデータベースであるUpToDateを積極的に参考文献として参照させて頂いております。
- 記事の内容に不備、誤りなどありましたら、当院までご連絡いただけますと幸いです。正しい医療知識の普及のため、専門医をはじめとしたプロフェッショナルの方からのご意見・フィードバックを、是非ともお願いいたします。ご意見、ご指摘はこちらからお願いします。
豊田かなでクリニック
院長:加藤友大
医学博士、日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会 循環器専門医
2025年11月、「正しい情報に基づいた患者中心の医療」を実践するために、豊田かなでクリニックを開院。「おいでん病気ペディア」では、しっかりとした医学的な根拠に基づき、不必要に不安を煽らない情報の発信を行っています。
Web問診・オンライン予約・オンライン診療などのデジタルトランスフォーメーション(Dx)を取り入れ、「スムーズな体験で健康管理をもっと手軽に」するクリニックを目指しています。
今後は、AIトランスフォーメーション(AIX)を積極的に取り入れ、温かな医療で地域の皆様の健康を守る「未来の医療のカタチ」を創っていきたいと考えています。
医師紹介はこちら
最終更新日:2025/3/15