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じんましん

食べ物などのアレルギーが関与しないじんましんも多くあります。

原因は、はっきりしないことも少なくありません。

蕁麻疹(じんましん)とは?

蕁麻疹は、皮膚に突然現れる赤い盛り上がった発疹のことです。多くはかゆみを伴いますが、個々の皮疹は数十分から数時間、長くても半日から1日で消失します。症状が激しいと、次々と新しい皮疹が出現するため、ずっと皮疹があるように見えることももあります。

多くの方は1週間、9割くらいの方が1ヶ月以内に治りますが、さらに長期にわたることもあります。

 

蕁麻疹の分類

ここでは代表的な蕁麻疹について取り上げます。蕁麻疹の原因は多岐にわたり、日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン1)をもとに、原因を下記にまとめました。

急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹

急性蕁麻疹

発症後6週間以内のもの

特にお子さんでは、風邪などの一過性の感染症で出現することも多いです。

慢性蕁麻疹

発症後6週間以上のもの

夕方から夜間にかけて症状が出現することが多いようです。長い場合は数ヶ月から数年続くこともあります。

原因による分類

特発性蕁麻疹

特発性とは、特別な原因が見当たらない、という意味です。8割程度が、この特発性蕁麻疹といわれています。

刺激誘発型蕁麻疹
アレルギー性の蕁麻疹

食べ物など、特定の物質が原因となって引き起こされます。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

特定の食べ物を食べた後、2〜3時間以内に運動をした場合に生じるアナフィラキシー反応のことで、鎮痛薬(NSAIDs)などで発症しやすくなります。

非アレルギー性の蕁麻疹

造影剤など、特定の物質によって引き起こされますが、IgEを介しません。

アスピリン蕁麻疹

アスピリンをはじめとする、NSAIDsの服用によっておこります。

物理性蕁麻疹

なんらかの皮膚刺激によって引き起こされます。日光や寒冷刺激、温熱刺激などが代表的です。

コリン性蕁麻疹

汗をかいたり、汗をかくような刺激(入浴や運動など)によって引き起こされます。ひとつひとつの皮疹が1-4mmと小さいことが特徴です。

接触性蕁麻疹

特定の物質に触れたときに引き起こされます。

その他

血管性浮腫や蕁麻疹関連疾患などがあります。

蕁麻疹を起こしやすい状態

・風邪をひいている、などウイルスや細菌の感染症

・ストレス

・疲労

・夕方から明け方の時間帯

 

検査

アレルギー性の蕁麻疹では、アレルギー検査を行うこともあります。

また、特定の原因が疑われる時に、蕁麻疹を誘発するための検査をすることもあります。一方で、蕁麻疹の多くが、原因のはっきりしない特発性蕁麻疹に分類されることにも留意する必要があります。当院では、血液検査によるアレルギー検査を行っておりますが、検査の適応に関しては個々の状況に応じて判断する必要があると考えています。

 

治療

原因の回避

できるだけ蕁麻疹の原因を探し、これを避けます。

薬物治療

一般的には内服薬で治療します。

抗ヒスタミン薬

花粉症などのアレルギーでもよく用いられるお薬です。かゆみを軽減し、発疹の発生を抑えます。

ステロイド

重症の場合に短期間使用されることがあります。当院では、抗ヒスタミン薬では改善しない蕁麻疹は、皮膚科専門医への相談をおすすめしています。

蕁麻疹のケア

蕁麻疹が起きている場合には、下記のような点に注意して生活しましょう。

規則正しい生活十分な睡眠をこころがけ、生活リズムを整えましょう。

運動や熱いお風呂は避け、安静に過ごしましょう。

・蕁麻疹のかゆみは、抗ヒスタミン薬を飲んだり、保冷剤で冷やすと楽になることも多いです。

 

まとめ

蕁麻疹は多くの人が経験する一般的なものですが、その原因ははっきりしないことも少なくありません。ゆっくりと休養し、体調を整えることを心がけてください。

蕁麻疹でお困りの場合は、一度当院までご相談ください。

 

参考文献

1)日本皮膚科学会 蕁麻疹診療ガイドライン2018

2)UpToDate:New-onset urticaria

 

免責事項
  • この記事は、より多くの方に病気に関しての知識を深めてていただく目的で執筆しています。病状ごとに、その方に提供される最適な医療は異なるため、治療方針に関しては必ず主治医にご確認ください。
  • この記事は、信頼できる専門家の先生方が執筆、監修されているという観点、評価の定まっていない原著論文の引用を控えるという観点から、原著論文に加え、学会発行のガイドラインや、世界的に信頼され、参照されているデータベースであるUpToDateを積極的に参考文献として参照させて頂いております。
  • 記事の内容に不備、誤りなどありましたら、当院までご連絡いただけますと幸いです。正しい医療知識の普及のため、専門医をはじめとしたプロフェッショナルの方からのご意見・フィードバックを、是非ともお願いいたします。ご意見、ご指摘はこちらからお願いします。
この記事の執筆者

豊田かなでクリニック
院長:加藤友大

医学博士、日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会 循環器専門医

2025年11月、「正しい情報に基づいた患者中心の医療」を実践するために、豊田かなでクリニックを開院。「おいでん病気ペディア」では、しっかりとした医学的な根拠に基づき、不必要に不安を煽らない情報の発信を行っています。

Web問診・オンライン予約・オンライン診療などのデジタルトランスフォーメーション(Dx)を取り入れ、「スムーズな体験で健康管理をもっと手軽に」するクリニックを目指しています。

今後は、AIトランスフォーメーション(AIX)を積極的に取り入れ、温かな医療で地域の皆様の健康を守る「未来の医療のカタチ」を創っていきたいと考えています。

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最終更新日:2025/3/4

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