メニュー

肥満症(メディカルダイエット)

科学の力で「適正」体重へ

必要以上に痩せる必要はない、と当院では考えています。

しかし、肥満は多くの病気の原因になることも事実です。

半年以上食事制限や運動をしてもなかなか効果が出ない…」

そんな方に、当院ではGLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬といったお薬を使ったメディカルダイエットをご提案しています。

過剰なダイエットへの懸念から、ひとつの目安として、当院での処方基準として、糖尿病がない場合は、BMI25kg/m²未満の方(肥満の基準を満たさない方)を設けています。

保険適応となる基準に関しては、下記の基準があります。(保険適応となる方は、当院では処方を行っております。大病院へのご紹介となります。)

上記のお薬は、健康的な食事、運動、そして生活習慣の見直しと併用することが不可欠です。こうした日々の生活の変化を伴わない薬の使用は、長期的には一般に効果が乏しいとされています。1)

※ 医学的必要性がないと医師が判断した方には薬剤の処方は行っておりません。

※ 医療保険が適用外の自由診療となります。

※在庫の状況により当日にお薬をお渡しできない場合があります。

体重をコントロールするのに、薬が検討される時

必要以上に痩せる必要はありません。しかし、肥満は多くの病気の原因になることも事実です。医学的に、内服薬による減量が検討される状況には、以下のようなものがあります。

日本でウゴービ、ゼップバウンドが保険適応となる基準

高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかを有する肥満症があり、かつ食事療法と運動療法を行っても十分な効果が得られない方で、下記を満たす方。

①BMIが35 kg/m2以上の方。

② BMIが27 kg/m2以上の方で、下記の肥満に関連する健康障害を2つ以上有する方。

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患
  6. 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作
  7. 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
  8. 月経異常・不妊
  9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  10. 運動器疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症、手指の変形性関節症
  11. 肥満関連腎臓病

GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬とは?

GLP-1受容体作動薬には、様々な種類があります。詳しくは、糖尿病の治療薬のページのこちらをご参照ください。

ウゴービとは?

ウゴービ(Wegovy)は、週1回の自己注射タイプのお薬です。

セマグルチドという成分のお薬であり、GLP1受容体作動薬とよばれます。糖尿病や肥満症の方に使われます。

体内で本来分泌されるホルモンの働きを強めることで、以下のような作用があります。

    • 食欲を抑える:脳に働きかけて「お腹がいっぱい」と感じやすくなります。
  • 胃の動きをゆるやかにする:食べ物がゆっくりと消化されることで、満腹感が長く続きます。
  • 血糖値をコントロールする:糖の吸収やインスリンの分泌をサポートして、血糖値の急な上昇を防ぎます。
  • 心血管イベント(狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など)を減らす2)

「魔法のやせ薬」ではなく、食事・運動療法と一緒に使うことがとても大切です。

GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬の導入までの流れ

食事や運動の改善を含む生活習慣の改善を3-6ヶ月行っても、体重が十分に減らないときには、GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬といったお薬が検討されます。1)

お薬の価格(診察料込み、税込み)

ウゴービ1ヶ月分:準備中

現在、当院ではウゴービのみの取り扱いを予定しております。

ウゴービについて
週1回の注射のお薬です。下記の用量があります。最初は0.25mgから開始します。
肥満症の方への処方となります。
注意点
  • 糖尿病治療中の方は投与できません。糖尿病の治療を行います。
  • 甲状腺癌の既往・家族歴のある方、重度の胃腸障害のある方、イレウス(腸閉塞)・膵炎の既往歴のある方、妊娠中、授乳中の方は投与できません。
  • 18歳未満の方、65歳以上の方で、糖尿病のない方への投与は原則行っておりません。

吐き気、胸やけ、下痢、便秘などの胃腸障害がみられることがありますが、投与継続をすることで症状が緩和されることが多く、一般的には問題なく投与いただける方がほとんどです。極めて稀ですが急性膵炎などの副作用もあります。

  • 体調の異常を感じた場合は、当院にご相談ください。
未承認医薬品等(異なる目的での使用)
本診療に用いるウゴービは、肥満症の治療薬として厚生労働省に承認されています。BMIや疾患などの適応条件(BMIが27kg/m2以上であり2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する、または、BMIが35kg/m2以上など)を満たさない方は、適応外処方となるため万が一重篤な副作用が出た場合も、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
入手経路等
当院で処方するウゴービは、国内医薬品販売代理店経由で購入しています。
国内の承認医薬品等の有無
条件付きで肥満症の治療薬として国内で承認されています。
諸外国における安全性等に係る情報
アメリカ食品医薬品局(FDA)において過体重や肥満の体重管理の薬剤として承認されています。

 

GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬の、いろいろな作用

メディカルダイエットや、糖尿病の治療薬として有名となったGLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬ですが、他にも、いろいろな作用が注目されています。

糖尿病のある方では、血糖値改善効果や、動脈硬化による病気(脳梗塞、狭心症や心筋梗塞など)を減らすこと、心不全の改善効果などが明らかになってきました。

糖尿病のない方でも、肥満症のある方では、睡眠時無呼吸症候群に関連したものをはじめ、体重減少効果などにより、様々なメリットが明らかになってきています。

多くの薬はクラスエフェクトといって、同じ効果が期待できると考えるのですが、GLP-1受容体作動薬については、薬を選ぶ必要があるかもしれません。

エビデンス(医学的根拠)の作られ方

GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP1受容体作動薬の研究は、まさに進行中です。

現在行われている臨床研究の結果は、下記のように作られます。

GLP-1受容体作動薬に分類される、AとBという2つのお薬を考えます。

「Aというお薬は、糖尿病のある人に対して、体重減少効果動脈硬化を防ぐ効果があった。」

「Aというお薬は、糖尿病のあるでは、心不全を改善させる効果があった。」

注意すべきは、この結果では、Aというお薬は、糖尿病のないでは動脈硬化を防ぐ効果や、心不全に効果があるとは限らない、ということです。

同じGLP-1受容体作動薬に分類されるBに関しては、心不全での効果が検証されていなかったとしましょう。

同じ仲間の薬なので、同様の効果が期待できる、とも考えられます。

確かに、医学的にも、クラスエフェクトといって、Bに関しても、心不全の改善効果はある一定程度は期待できるかもしれません。

しかしながら、効果の検証されている薬を優先的に使うのがエビデンスに基づいた医学です。

一方で、「体重減少効果はBよりAの方がよかった。」というデータがあったとすると、人によってはBの方がいいかもしれません。

ここまで読んで、同じ作用の薬で、Bの方がAより体重減少効果が強いなら、動脈硬化もよく改善させるだろう、と思いたくなるのが人間の直感です。

しかしながら、他のお薬の例ですが、血糖値やコレステロールを下げるお薬で数値が改善しても、使うお薬によっては動脈硬化のリスクがあまり下がらない、という例があります。

当院の姿勢としては、科学に忠実に、効果が実証されているお薬を使っていきたいと考えています。

 

肥満がある方では、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。日中の眠気やいびきが気になる方も、ご相談ください。

 

参考文献

1)UpToDate:Obesity in adults: Drug therapy

2)UpToDate:Glucagon-like peptide 1-based therapies for the treatment of type 2 diabetes mellitus

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME