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大人のかぜ薬【内科医が解説】効果と選び方をエビデンスに基づいて。

このページでは、一般的な大人のかぜ薬について説明しています。実際の使用方法は、主治医の指示に従ってください。

お子さんのかぜの薬はこちら

咳をやわらげるお薬

かぜによる咳は、咳止めでなかなか止まらないことも多いのが現状です。デキストロメトルファン(メジコン)、フスコデ、コデインなどが代表的です。

フスコデは鼻汁を抑える効果も期待できます。前立腺肥大症や緑内障がある方は使用できません。また、長期に飲むと便秘になることがあります。

咳は異物を外に出すための体の反応ですので、咳は無理に止めなくてもよいかもしれません。

かぜに伴う急性の咳は、なかなか咳止めなどで抑えられないことがあります。そのような時は、下記のお薬以外の方法も試してみることをおすすめします。

咳が長引く場合には、感染後咳嗽や喘息の増悪なども考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。

ハチミツ

1才未満のお子様は摂取しないでください

ハチミツは、咳止めの薬と同じくらい効果がある 2)ことがしられています。飲み物に溶かしても、そのまま食べても大丈夫です。寝る前に食べていただいても、1日3回食べていただいても大丈夫です。

目安(実際の臨床研究で用いられた摂取量)

2-5才:ティースプーン0.5杯

6-11才:ティースプーン1杯

12-18才:ティースプーン2杯

温かい飲み物

寝る前に温かい飲みものを飲むと咳が抑えられるようです。2)ハチミツを入れて飲んで頂いてもいいと思います。

のど飴

トローチなどでなくても、一般的なのど飴でも大丈夫です。

 

鼻水をやわらげるお薬

花粉症などでよく使われるのは、眠気の少ない第2世代抗ヒスタミン薬ですが、かぜの鼻水には第1世代の抗ヒスタミン薬の方が有効といわれています。第1世代の抗ヒスタミン薬は、総合感冒薬の中にも含まれていますので、当院ではかぜの鼻水などの症状に対して、総合感冒薬をおだしすることがあります。

また、抗ヒスタミン薬の使用は考えの分かれるところであり、鼻をかんで出すことが大切です。

 

タンや鼻水に対するお薬

カルボシステイン(ムコダイン)

タンや鼻汁を出しやすくするお薬です。たん切り剤としても使います。

アンブロキソール(ムコソルバン)

気道粘液の分泌を促進します。たん切り剤としても使います。

 

喉の痛みを和らげるお薬

解熱鎮痛薬

ロキソニン(ロキソプロフェン)、ブルフェン(イブプロフェン)、カロナール(アセトアミノフェン)など。

解熱鎮痛薬ときくと熱を下げる薬という印象があるかもしれません。頭痛や腰痛などでも使われるように、痛み止めとしてもよく使われます。喉の痛みにも効果を発揮します。

多くの場合、1日3回内服できます。処方時の用法用量を守って内服してください。

また、アセトアミノフェンは、よく400mg(200mg錠を2錠)の用量で使われることも多いですが、最近では500mg錠が使用されることも多くなってきました。

当院では体重や症状などに応じた用量をご提案しています。

※インフルエンザにおいては、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsが日本では避けられる傾向があります。詳しく文献を調べてみると、大人の方では使用しても問題がないと考えられているようです。UpToDateの記載では、インフルエンザはアセトアミノフェンやイブプロフェンで対症療法を行う2-4)と書かれています。(アメリカではロキソプロフェンは使用されないため、海外の文献ではこのような書き方になります。)

18才未満のお子さんにおいては、サリチル酸はライ症候群(Reye syndrome)の観点から避けるべきである、と記載されています。3,4)(妊婦の方や腎機能の低下がある方などでもNSAIDsは避ける必要があります。)

当院では、症状やその方の状況に応じて、薬をご提案しています。

 

トラネキサム酸

美容医療で名前を聞かれたことも多いかもしれません。

喉などの炎症をやわらげるお薬です。

※当院では美容目的での処方は行っておりません。

 

抗菌薬

抗菌薬に関しては、こちらをご覧ください。

 

参考文献

1)UpToDate: The common cold in adults: Management and prevention

2)UpToDate:Seasonal influenza in nonpregnant adults: Treatment

3)UpToDate:Seasonal influenza in children: Management

4)UpToDate:Acute toxic-metabolic encephalopathy in children

免責事項
  • この記事は、より多くの方に病気に関しての知識を深めてていただく目的で執筆しています。病状ごとに、その方に提供される最適な医療は異なるため、治療方針に関しては必ず主治医にご確認ください。
  • この記事は、信頼できる専門家の先生方が執筆、監修されているという観点、評価の定まっていない原著論文の引用を控えるという観点から、原著論文に加え、学会発行のガイドラインや、世界的に信頼され、参照されているデータベースであるUpToDateを積極的に参考文献として参照させて頂いております。
  • 記事の内容に不備、誤りなどありましたら、当院までご連絡いただけますと幸いです。正しい医療知識の普及のため、専門医をはじめとしたプロフェッショナルの方からのご意見・フィードバックを、是非ともお願いいたします。ご意見、ご指摘はこちらからお願いします。
この記事の執筆者

豊田かなでクリニック
院長:加藤友大

医学博士、日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会 循環器専門医

2025年11月、「正しい情報に基づいた患者中心の医療」を実践するために、豊田かなでクリニックを開院。「おいでん病気ペディア」では、しっかりとした医学的な根拠に基づき、不必要に不安を煽らない情報の発信を行っています。

Web問診・オンライン予約・オンライン診療などのデジタルトランスフォーメーション(Dx)を取り入れ、「スムーズな体験で健康管理をもっと手軽に」するクリニックを目指しています。

今後は、AIトランスフォーメーション(AIX)を積極的に取り入れ、温かな医療で地域の皆様の健康を守る「未来の医療のカタチ」を創っていきたいと考えています。

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最終更新日:2025/5/9

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