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インフルエンザ

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。特に冬季に流行しやすく、小児から高齢者まで幅広い年齢層の方がかかります。A型とB型があり、A型は高熱、B型は消化器症状が目立つなどの特徴がありますが、例外も多く、A型とB型を区別する必要はあまりありません。

お子さんでは大人の方に比べて免疫力が低いため、インフルエンザにかかりやすく、症状が重くなることがあります。特に乳幼児や基礎疾患を持つお子さんは注意が必要です。重症化を予防するためにも、毎年インフルエンザの予防接種を受けられることが推奨されます。

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潜伏期間

1〜3日

インフルエンザの検査

インフルエンザ抗原の迅速検査の感度(インフルエンザにかかっている方が検査が陽性となる確率)は、発症から検査までの時間で異なります。

発症から12時間後では検査感度は35%、12〜24時間後は66%、24〜48時間後は92%という報告1)もあり、発症間近の状況では十分に検査の感度が十分でないことがあります。

インフルエンザの薬

抗インフルエンザ薬を使用します。発症後48時間以内に内服することが推奨されています。2)

インフルエンザになっても、必ずしも抗インフルエンザ薬を内服する必要はありません。内服することによって症状が軽くなることが期待できます。

その他、症状にあわせて対症療法を行います。

タミフル(オセルタミビル)

ノイラミニダーゼ阻害薬です。1日2回、5日間内服します。

嘔吐のあるお子さんなどでは、吸入薬のほうが使いやすいかもしれません。

安定した効果や耐性菌などの観点からおすすめの治療薬です。また、お薬の値段も他のお薬よりも安いのが特徴です。

過去には、タミフルの内服と異常行動との関係が報道されたことがありましたが、現在では安心して使える薬とされています。

お薬の値段は、ジェネリックでは1治療(10錠)で1,120円、3割負担で約340円となります。(2024/11調べ)

抗インフルエンザ薬の内服の有無にかかわらず、インフルエンザにかかると、若年者の方(4-18歳頃、10歳前後が多い)では発熱から2日間は異常行動のリスクが高くなる6)ことから、注意する必要があります。

リレンザ(ザナミビル)

ノイラミニダーゼ阻害薬です。吸入薬です。1日2回、5日間使用します。喘息やCOPDのある方では、注意が必要です。

嘔吐のあるお子さんではおすすめです。

お薬の値段は、1治療(5日、20ブリスター)で約2,400円、3割負担で約720円となります。(2024/11調べ)

イナビル(ラニナミビル)

ノイラミニダーゼ阻害薬です。吸入薬です。吸入回数は1回ですみます。喘息やCOPDのある方では、注意が必要です。

1回の服薬で治療したい方や、嘔吐のあるお子さんではおすすめです。

お薬の値段は、10歳以上の方では約4,360円、3割負担で約1300円となります。(2024/11調べ)

ゾフルーザ(バロキサビル)

エンドヌクレアーゼ阻害薬です。内服回数は1回です。耐性菌に注意が必要です。

発売開始直後の2018年-2019年の流行期には耐性ウイルスが急増し、2019年10月、日本感染症学会から積極的な推奨をしない提言が発表されました。

しかしながら、その後は耐性ウイルスが減少し、2023年11月には12歳以上の方に関してはタミフルなどと同等に投与することができると、提言が変更されています。5)

ゾフルーザは、インフルエンザB型に関しては、ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフルなど)よりも効果が優れる可能性があります。5)

また、ゾフルーザのウイルス排出量を減らす効果は、ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフルなど)よりも効果が優れる可能性があります。5)

お薬の値段が高く、12歳以上の方で、体重80Kg未満の方では約5,000円、3割負担で約1,500円となります。体重80Kg以上の方では約10,000円、3割負担で約3,000円となります。(2024/11調べ)

ラピアクタ(ペラミビル)

ノイラミニダーゼ阻害薬の点滴薬です。吸入や内服のお薬が使えないなど、重症の患者さんで使用が想定されます。重症の方は、高次医療機関での入院治療も検討する必要があるため、当院では取り扱っておりません。

漢方薬

抗インフルエンザ薬ではありませんが、漢方薬としては、麻黄湯が選択肢にあがります。

 

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参考文献

1) Eur J Pediatr. 2011 Apr;170(4):511-7.

2)UpToDate:Seasonal influenza in children: Management 

3)UpToDate:Seasonal influenza in nonpregnant adults: Treatment

4)国立感染症研究所:抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランス

5)日本感染症学会:ゾフルーザの使用に関する提言

6)厚生労働省資料

 

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  • この記事は、より多くの方に病気に関しての知識を深めてていただく目的で執筆しています。病状ごとに、その方に提供される最適な医療は異なるため、治療方針に関しては必ず主治医にご確認ください。
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この記事の執筆者

豊田かなでクリニック
院長:加藤友大

医学博士、日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会 循環器専門医

2025年11月、「正しい情報に基づいた患者中心の医療」を実践するために、豊田かなでクリニックを開院。「おいでん病気ペディア」では、しっかりとした医学的な根拠に基づき、不必要に不安を煽らない情報の発信を行っています。

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最終更新日:2025/3/4

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